福田医院(島根県大田市)―内科・消化器内科・小児科・循環器内科― |
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私の妻、福田和紀栄は昨年(平成19年)の10月30日、57歳で人生の航海から離脱しました。目的地にはまだまだ遠く、荒波を乗り切って、やっと穏やかで、順風満帆な船旅になるところでしたのに。大切に育てた子どもたち、支えて戴いた友達、職員やそして共に苦労した私、更に数え切れないほどの品々を船の中に積み残して、心残りのまま下船しました。 妻が読むのを真剣な眼差しで聞き入って、子どもも絵本の主人公に成りきっているようでした。能率性、合理性が問われる世の中では、徐々に読書離れが進んでいると言われてます。野山を駆け巡って遊んでいた私ども団塊の世代とは違って、今の子どもたちは外遊びをせず、テレビを中心とした生活となり、夜遅くまで起き、睡眠時間の短い子どもが多くなって来ているようです。朝からあくびをし、だるさを訴える子が多くなっているのも事実です。 テレビゲームをしている本人はゲームで遊んでいると思ってますが、実は遊ばされているという主体性のない、まさにゲームと私は考えています。最近、すぐに切れる子どもが多くなってきている実態に不安を覚えるのも私だけではないと思います。文字面に現れてない筆者の心の動きをくみ取る、即ち行間を読む力こそ今の子どもに必要とされものではないでしょうか。幼少時代に本を読んでもらうことは、その子の魂に響き、叫び、喜び、悲しみ、哀れみを知るよい機会になると思います。 待合室で、お母さんとお子さんが寄り添って絵本を読んでおられる姿を見ると、周りの人の心が和みます。 子育ての中で本を読んで、聞かせることを大切にしていた妻は、以前より少しずつ自分が気に入って、選んだ絵本を待合室に置いていました。妻の意思を大切に受け継ぐため、待合室に、わきちゃん絵本文庫を設けることにしました。人間関係が希薄になっている現代社会で、読書を通じて、家族の絆が深まり、表面には見えない心の思いや痛みの判る、惻隠の情を会得されたお子様に成長されることを妻と共に願っています。 平成20年3月1日 福田一雄 |
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